本研究は,主として移動体無線通信用の弾性波素子で発生する非線形応答を,弾性振動可視化装置を用いて複素振動振幅として観察可能とする事を目的とした。この技術が確立すれば,弾性波素子における非線形発生メカニズムを明らかにし,これを制御することで素子の高性能化,更にはこれらの高周波素子を利用する移動体無線通信システムの高度化に寄与するものと考えられる。また,本研究により実現された可視化装置に対する周波数掃引機能の付加などは本研究者の知る限り国内外でも類が無く,弾性波素子の振舞いを理解する上で新たなアプローチ法を与えるものであると考えられる。
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