本研究は,パッシブに収集された通信ログから,ログに含まれるTCPセッションが使用している輻輳制御方式を推定する方法を確立する.具体的には,通信ログにデータセグメントとACKセグメントの双方の情報が含まれる双方向通信ログと,データセグメントの情報のみが含まれる片方向通信ログに対して,輻輳制御の推定方法を考案する.双方向通信ログに対しては,データとACKから往復遅延時間を推定し,その間のデータ量を輻輳ウィンドウとする.輻輳ウィンドウとその増加分の対応から推定する.片方向通信ログに対しては,シーケンス番号の時間変化を,一次式から四次式で近似し,そのグラフの一階微分と二階微分の対応から推定を行う.
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