複数の動的エージェントが相互作用しながら,大域的な目的を達成するというマルチエージェントシステムの制御は近年注目されている。リーダーの指令値が一部のフォロアーエージェントだけに送信され,各エージェントが近傍と交信しながら,協調して指令値に追従するという同期追従制御が活発に研究されている。本研究では,直接受信できない指令値や,エージェントのモデリング誤差や相互干渉などを,近傍通信を介して推定するという分散型信号推定機構を備え持つ実用的分散型同期追従制御系について研究し,いくつかの新しい手法を提案した。これらの手法について,誤差信号の有界性や過渡特性を理論的に解析し,制御性能を明らかにした。
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