本研究は海水作用を受けるコンクリートの局所劣化(海水劣化)のメカニズムを検討し,その予測手法や試験法の検討を行った。まず,海水劣化のメカニズムとして,日射による温度変化および乾湿による空隙水の濃度変化によって,主にエトリンガイトの溶解・析出による体積変化が生じる可能性が示され,これが海水劣化を生じさせる原因の一つであると推定された。また,その予測手法として,S浸透深さおよびMg浸透深さを予測する手法を提案した。さらに,促進試験法として,細径のセメントペースト試験体での海水乾湿繰返し試験を提案した。
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