研究課題/領域番号 |
16K06513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松永 信博 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (50157335)
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研究分担者 |
李 洪源 山口大学, 創成科学研究科, 助教 (10599236)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 沿岸海域 / 水質環境 / 赤潮 / 貧酸素水塊 |
研究成果の概要 |
九州農政局が諫早湾内の6地点において測得した長期多点同時水質データを解析した.赤潮の指標であるクロロフィルa (Chl.a)濃度の解析から,諫早湾において赤潮の発生頻度とその規模は減少しており,赤潮の発生は収束する傾向にあることが示された.海底付近の溶存酸素(DO)濃度の解析から,貧酸素水塊の発生頻度ならびにその規模も収束する傾向が示された.重回帰分析により,DO濃度の第一の支配因子は水温であり,水温の上昇によりDO濃度は減少するという強い負の相関が認められた.第二の因子は密度成層であり,表層と低層の密度差の増加によりDO濃度が減少するという同じく負の相関が認められた.
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自由記述の分野 |
沿岸海域環境学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有明海西部に位置する諫早湾では1997年にその奥部が締め切られ,約15km2の干潟を含む35.5km2の浅海域が消失した.2000年冬季には海苔の大凶作が発生し,諫早湾の干拓事業と海苔の大凶作との関係が社会問題となった.そのような社会背景において,九州農政局がこれまで蓄積してきた膨大な長期多点同時水質観測データを解析し,諫早湾内における赤潮ならびに貧酸素水塊の経年変化を明らかにした.その結果,諫早湾内における赤潮の発生頻度ならびに赤潮の規模は減少し,収束傾向にあることを明らかにした.また,貧酸素水塊の発生頻度ならびにその規模も減少し,収束傾向にあることを明らかにした.
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