本研究では,安全な交通社会の実現に向けた面的な交通施策を計画実施するため,欧州の道路設計思想や技術指針,安全施設の特徴を文献調査や現地踏査により整理し,わが国での適用可能性を検討した.また,生活道路における社会実験を通じて,狭さく設置による速度低下等の効果,抜け道利用の心理的要因,地域住民の意識を評価できた.また,事故統計分析を通じて,大規模交差点にて自転車事故が多発することを示し,観測調査より,交差点コンパクト化の効果,ラウンドアバウトや二段階横断施設の有用性を,複数利用主体の挙動面から明らかにした.これらより,幹線道路,生活道路を併せて考慮した交通安全施策の展開に必要な知見が得られた.
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