焼却灰の炭酸化処理の主たる目的である含有重金属不溶化に加え,埋立前処理としての利用や浸出水pHの低減といった新たな活用策をシステマティックに提案する点に特色を有する。また,独創的な点は,処理時間の短縮や操作性の向上を目的として,直接,CO2溶解水を焼却残渣に含水させて炭酸化処理を実行する点である。 3Rの推進によって,最終処分量は減少傾向にあるが,より安全かつ温室効果ガスの排出削減に寄与できる対策が求められている。また,現在,焼却残渣のリサイクルとしてセメント原料化の貢献が大きいが,長期的にはセメント需要量の低下が懸念されるため,本研究のような別の手法を検討する意義もあると考えられる。
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