乾式薄膜プロセスを応用した粉末コーティング装置を、独自に開発した低酸素粉末冶金システムに組み込んだ。これを用いて、表面に酸化膜のないSm2Fe17N3磁石粉末を作製し、その清浄表面に直接、均一な異種材料のナノ被膜を形成する技術を確立した。成膜法にアークプラズマ蒸着法およびスパッタ法を採用し、いくつかの非磁性単体金属を低酸素Sm2Fe17N3粉末にコーティングしたところ、成膜粒子のエネルギーが低く、磁性相への損傷が少ないスパッタ法の方が、いずれの元素の場合にも保磁力改善効果が高いことが分かった。スパッタ法により20元素の被覆実験を行い、保磁力改善効果を俯瞰する基礎データを整備した。
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