本研究の成果より、理論的に毛管数が同一となる条件下において浸透性実験をおこなった結果、異なる樹脂系において浸透性がほぼ同一となることを実験的に確認できた。そのため、浸透性に対し、毛管数によるミクロスケールの樹脂含浸挙動は支配因子の一つとなりうると考えられる。浸透性の支配因子が明らかとなれば、界面特性の異なる繊維および樹脂を用いたFRPの成形予測シミュレーションにおいても、従来のように個別に浸透性を測定することなく、構成材料のぬれ性または毛管圧のサンプリング評価に基づき、浸透性を予測できる。さらには、繊維界面特性を制御することにより、浸透性を考慮した新たな繊維基材の開発を行なうことができる。
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