本研究では、新たに発見された脳室周囲器官の神経幹細胞の特徴として以下のことを明らかにした。1)アストロタイプとタニサイトタイプの2種類の神経幹細胞が存在している。2)多発性硬化症の動物モデル実験より、神経幹細胞から延髄の脱髄部位へ新しいオリゴデンドロサイトの供給があり脱髄の修復に関与する。一方、部分的な脱髄では、既存のオリゴデンドロサイト前駆細胞のみが修復に関与する。3)新たな細胞の供給源であるだけでなくTLR4やTRPV1を発現し、血液由来の情報をモニターするMultipotentな細胞である。4)ミクリグリアは常に活性化状態で、神経幹細胞の増殖を制御していることが示された。
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