ヒトは進化過程で巨大な脳を獲得し、高度な精神活動を可能にした。哺乳類大脳皮質神経細胞は脳室帯あるいは脳室下帯(SVZ)で産生されるが、ヒトを含めた霊長類ではSVZ内にbRGと呼ばれる特殊な神経幹細胞が著しく増加しており、圧倒的な神経細胞の産生を可能にしている。我々はbRGの産生調節に関わる分子としてJA1を同定した。本研究課題では(1) JA1はbRG産生の正の制御因子であること、(2) JA1はbRGそのものに発現すること、(3) JA1の霊長類における発現はマウスに比較して高く、これは転写調節領域の転写活性の違いによることを明らかにした。
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