研究課題
基盤研究(C)
エクソソームは細胞から放出された小胞で、細胞間で情報を伝達しがんなどの疾患にも深く関わっている。エクソソームには様々な性質の小胞が含まれており、それぞれを見分け適切に評価することが、診断や治療に利用するためには必要である。そこでエクソソームが基板に吸着する現象を利用して性質を見分けることを目指して研究を始めた。その過程で、がん細胞由来のエクソソームにはホスファチジルセリンという脂質が表面に露出した小胞があり、その露出率が異なる2つのサブタイプがあることを見出した。
ナノバイオ、生体関連化学
ホスファチジルセリンは通常の細胞では細胞膜の内側に存在するが、がん細胞やがん細胞由来エクソソームでは細胞膜の外側に露出し、がんの進展への寄与が示唆されている。本研究で見出した、ホスファチジルセリンの露出率が異なる2つのエクソソームサブタイプの性質や機能を明らかにすることで、がんの生物学的理解が深まるだけでなく、エクソソームをがんの診断や治療に利用する上で役立つ情報が得られることが期待される。