B細胞受容体の活性化は、そのチロシンリン酸化に端を発し、B細胞腫瘍の悪性化とその性質の維持に重要な役割を果たしている。B細胞悪性腫瘍の治療には、B細胞受容体シグナル伝達の下流分子に対する複数のリン酸化酵素阻害剤が用いられているが、B細胞受容体の各チロシンリン酸化との関連は不明であった。本研究では、治療に用いられているリン酸化酵素阻害剤の作用機作解明と感受性予測を目的として、我々が作製した新規抗体を用いてB細胞受容体の二つの異なる部位のチロシンリン酸化を調べた。その結果、イブルチニブ耐性細胞では、感受性細胞では見られないCD79BY196におけるリン酸化が恒常的に起こっていることを初めて示した。
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