本研究ではmicroRNAのうち、miR-487bと大腸癌転移の関連性を明らかにし、大腸癌転移治療法の開発を目的とした。miR-487bは大腸癌の予後悪化因子であること、Wntシグナル経路の受容体であるLRP6やKRASを標的とし、LRP6やKRASの下流因子の活性や大腸癌細胞の増殖や浸潤、コロニー形成を抑えたが、大腸癌に対する抗腫瘍効果は弱かった。一方、LRP6に関して解析を行った結果、LRP6はその下流因子に変異を多く認める大腸癌では、その様な変異の少ない食道癌と比べて、予後との関連は少なく、大腸癌における発現意義は見出せなかった。
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