研究課題
計画書の段階で、①エクソームからのコピー数探索、②ミトコンドリアDNA(mtDNA)解析、③候補変異の迅速な機能解析スクリーニング法開発、④エクソーム補完リシーケンス法の改良、の4つを計画していた。①に関しては昨年度までに研究を終了し、実際に幾つかの検体でコピー数異常の検出に成功しその論文も出版済である。②に関しても昨年度までに解析手法を確立させた。さらに全ゲノム解析にも拡張し、エクソームよりもさらにmtDNAのシーケンス読み深度を深く正確に検出できることを確認した。③は昨年度までに候補変異の絞り込みまで幾つか行っており、今年度は実際の機能解析を進めて幾つか論文化も行った。④は最新データベース遺伝子情報に基づき追加リシーケンス用プローブを設計し完成させたが、今年度は全ゲノム解析にまで手法を拡張させることによって、その解析データを解析し、エクソーム解析では読み逃しの起こりやすい領域についても全ゲノム解析の方がより広範囲にカバーできていることが確認された。実際のタンパク質コード領域のカバー率はエクソーム解析単独が95%程度補完リシーケンス法との統合時が98%程度、全ゲノム解析時は99%以上という結果が得られている。全ゲノムシーケンスのコストは年々低下しているため、今後は変異解析手法の第一選択として全ゲノム解析も十分考慮に入れられると考えられた。さらに上記の予定以上に研究を拡張し、エクソーム解析の通常手法では検出が難しい100bp以上の長さの挿入・欠失(indel)を検出する手法も開発し、論文化も行った。現在、実際の疾患検体について解析を進めている段階である。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の研究計画を更に拡張させ、疾患原因変異の同定を目指し、エクソーム解析の通常手法では検出が難しい100bp以上の長さの挿入・欠失(indel)を検出する手法も開発し、論文化も行ったため。現在はこれまでの解析手法で疾患原因変異が同定できなかった検体の再解析を行っている段階である。さらに、エクソーム解析のみならず全ゲノム解析についても検証し、全ゲノム解析が疾患原因変異探索に有用かどうかの検証も進めているため。
当初の計画の項目については、手法開発はほぼ終了したので、実際の検体データの解析を行い、既存手法では疾患原因変異が同定できなかった検体についての新規変異同定およびその機能解析を進める。さらに、追加で研究を拡張したindel解析と全ゲノム解析においても、同様に実際の神経変性疾患の患者さんの家系データを用いて原因変異探索を行っていく予定である。
当初の予定より試薬代が値引きされ残予算が生じたため。また、計画していた機能解析の一部を次年度へ持ち越したため。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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