西表島船浮湾にて中深度サンゴ類の生息環境に関する野外調査を行なった。湾奥で濁度高い調査区では浅い水深から(20~25m)から見られたが、湾口側の透明度の高い調査区ではより深い場所(約30m以深)に生息していた。また、夏季の同期間に湾奥と湾口の水深20mでの照度を比較すると、湾奥では湾口の49.1%の照度しかなかった。これらのことから、「中深度サンゴ類の生息水深は、透明度の高い場所では深く、透明度の低い場所では浅くなる」という仮説は支持された。仮説「透明度が高く深い場所の群集と、透明度が低く浅い場所の群集間には交流がある」について、生息環境を種レベルで違えている例もあり、異なる種構成が見られた。
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