細胞成長の主な要因と考えられる細胞壁のセルロース微繊維(CMF)とそれらの間隙に存在するマトリックス要素の微細形態を,巨大細胞性藻類3種から切り出した細胞壁内面を液中に置いた状態で原子間力顕微鏡により観察した。シャジクモでは細胞の成長方向に垂直に並んだCMFをつなぐ繊維状構造が,バロニアでは個々のCMFだけではなく細胞壁の層の間を接着させる繊維状の構造が,また,フシナシミドロではCMFの隙間にあるマトリックス成分が顆粒状構造であることがそれぞれ観察された。細胞壁を引き伸ばしたときにこれらの構造がどうなるのか,今後の課題である。
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