アカウミガメの同一産卵群内には、浅海と外洋という大きく異なる摂餌域を利用する個体が共存している。浅海摂餌者は外洋摂餌者よりも2.4倍多く幼体を産出していることと摂餌者間での遺伝的構造の欠如から、両型は環境的に維持されていると強く示唆されている。しかし外洋摂餌者の産出する子供の生残率が2.4倍高ければ、適応度が釣り合うため、両型は遺伝的に維持されている可能性がある。本研究は、子供の生残率に関わる活動性や成長速度、及びこれらに大きな影響を及ぼす成体雌の選ぶ孵化環境に、摂餌者間で有意な違いがないことを示し、ウミガメ類の代替生活史が環境的に維持されていることをほぼ結論づけた。
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