ダイズの種皮のみにクロロフィルを蓄積するstay green形質をもたらす因子Gsc1の責任遺伝子の単離を試みた。種皮緑品種と種皮無色品種の間において,特定の遺伝子に1塩基置換の存在を明らかにした。この遺伝子を過剰発現する形質転換体では,種皮におけるクロロフィルの分解が著しく抑制されることが分かった。また,種皮緑および種皮無色であるダイズ遺伝資源においてこの遺伝子の変異を調べたところ,種皮緑の系統は全て機能型の遺伝子を持つことを明らかにした。さらに,ほぼ全ての野生ダイズにおいても機能型の遺伝子を持つことを明らかにした。これらのことから,種皮緑は野生ダイズ由来の形質であることが明らかになった。
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