施設園芸生産における新規養液栽培法として,超微霧化液肥噴霧水耕法を開発,実用化した。霧状液肥(粒滴径分布は10~30マイクロメートル)を支持培地を用いない気中根圏空間に噴霧充満させて栽培する。軽量栽培床の根圏は非常に好気的で,根張りは分枝根がよく発達し,根毛も発生することで養水分の吸収が促進され,葉菜類,イチゴ,トマトなどの成育が旺盛となった。特に夏期施設園芸栽培における根圏冷却効果による夏イチゴの花成促進,噴霧サイクル制御とEC(養液濃度)の適宜調節によるトマト果実の高糖度化などの効果を実証した。様々な園芸作物の付加価値の高い生産を目指した新たな施設栽培技術としての実用普及が期待される。
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