不飽和脂肪酸はシス脂肪酸とトランス脂肪酸に分類される。 天然に存在する不飽和脂肪酸はほとんどcis 体であるが,シス体からトランス体が生成されることがある。このトランス脂肪酸は,動脈硬化をはじめとする様々な疾患を引き起こすといった人体への悪影響がある。そこで,本研究ではラマン分光法による不飽和脂肪酸のその場定量分析を行う方法を開発し,熱による異性化反応メカニズムの解明を行うことを目的とした。その結果,オレイン酸とエライジン酸の同時定量する方法を確立できたが温度を上げてもトランス体のピークを検出することができず熱異性化の反応機構を解明するところまでは至らなかった。
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