カンボジア国コンポントム州の常緑林流域試験地内で水・土砂流出特性と土地利用変化の関係解明に関する研究を行った。現地観測およびモデル解析の結果から、土壌侵食を防ぐためには、林床面被覆の保護と伐採後の植生回復が重要であることがわかった。開発が進んだオーテクロー流域での観測結果をもとに、年間流域流出土砂量を推定したところ、1.98 × 0.001 mm/year と日本の森林と同じくらい非常に小さい値であった。これは、カンボジアのような平坦な地形では、森林伐採などにより土壌侵食が発生したとしても、侵食土砂が流路に到達しないため、直ちに流域からの流出土砂量の増加へ結びつかない可能性を示唆している。
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