本研究は,魚類の自然免疫系における水温依存性をIFNの機能に着目して明らかにしたものである。一般に魚類の免疫系のうち,水温の影響を受けやすいのは獲得免疫系であると考えられてきたが,本研究によって自然免疫系も水温の影響を受けることが示された。魚類の水温依存性免疫の制御機構を明らかにするためには,免疫系の総合的な解析が必要であることが強く示唆される。本研究成果は,徐々に情報が集積しつつある魚類の免疫応答機構をより詳細に解析する手掛かりになるものと思われる。また,本研究において構築されたrIFNベクタ-は,ヒラメの免疫機構を研究するためのツ-ルとしての有用性が高いと思われる。
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