てんかん発作は海馬に神経新生や異常なシナプス再構築を誘発するとされているが、海馬以外の領域における神経新生に関する知見は乏しい。梨状葉皮質は近年ヒトのてんかん患者の新たな発作焦点として注目されているが、発作焦点の形成機序は不明である。本研究では、ピロカルピン投与誘発てんかんモデルラットの梨状葉皮質の形態学的変化について検討した。発作が確認された梨状葉皮質に、神経細胞壊死や多数のダブルコルチン陽性細胞が認められた。また、同部位にPSD-95の陽性像およびシナプトフィジン陽性像が認められた。以上より、発作誘発後、梨状葉に神経新生およびシナプスの再構築が生じ、新たな発作焦点となる可能性が示唆された。
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