研究課題
基盤研究(C)
カンスタチンは心筋細胞周囲の基底膜を構成するIV型コラーゲンα2鎖の分解産物である。本研究は心臓におけるカンスタチンの病態生理学的役割と発現調節機構を解明することを目的とし、検討を行った。その結果、カンスタチンが心筋芽細胞の低酸素誘導性アポトーシスを抑制し、筋線維芽細胞の機能や心室筋細胞のイオンチャネル活性を制御することを明らかにした。さらに心疾患モデルにおいてカンスタチンが心保護的に働くことや、心筋梗塞におけるカンスタチン発現減少機構を明らかにした。
循環薬理学
本研究からカンスタチンが心保護的に働く内因性生理活性物質であることが示唆された。本研究成果を基盤として、カンスタチンを標的とした新たな心疾患治療戦略の開発が進むことが期待される。