プリオン病では、正常プリオン蛋白質(PrPC)が異常プリオン蛋白質(PrPSc)に構造変換される。本研究ではPrPSc特異免疫細胞化学とEMARS法によるFITC標識を用い、細胞膜上でPrPSc と共局在する分子群の探索を行った。プリオン蛋白質アミノ末端を認識する抗体は、プリオン感染細胞表面上の繊維状PrPScと、生理的条件下で反応した。この免疫細胞化学法とEMARS法を組み合わせ、生細胞上のプリオン蛋白質に共局在する分子群のFITC標識に成功した。免疫沈降法でFITC標識分子群を濃縮後、感染/非感染細胞間で比較したところ、感染細胞にのみ選択的にFITC標識された分子群が検出された。
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