牛卵胞の発育および退行中のホルモン産生能と卵子発生能の関係を明らかにするため、顆粒層細胞に覆われた発育途上の卵子を培養した。培地に卵胞刺激ホルモンおよび骨形成タンパク質 (BMP)4 を添加したところ顆粒層細胞の黄体化が抑制されるが、移植可能胚への発生能は低下した。そこで、BMP-4等の成長因子を分泌する内卵胞膜細胞を添加する培養系の開発を試みた。卵子と内卵胞膜細胞を共培養したところ、内卵胞膜細胞によるアンドロステンジオン産生および顆粒層細胞によるエストラジオール産生が確認され、移植可能胚産生も可能であった。しかし、発生率は低く、内卵胞膜細胞機能を維持可能な培養法開発が必要であると考えられた。
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