牛の乳腺と胎盤における副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)と5-ハイドロキシトリプタミン(5-HT, 別名セロトニン)の発現調節とミネラル輸送について検討した。牛乳腺由来の培養細胞であるbMEC細胞が、5-HTの輸送体であるSERTを発現し細胞内に5-HTを取り込むことが明らかとなった。また、BMGE+H細胞は、培地中のカルシウム濃度を何らかの方法で感知し、濃度依存性にPTHrP分泌量を増加させることが分かった。胎盤においては母体側の胎盤由来PTHrPが、胎子のミネラル栄養に影響を与えている可能性が示唆された。また、乳熱の発症に対するPTHrPの直接的な関与は明らかでなかった。
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