研究課題
基盤研究(C)
研究代表者は、分子の動きを固定して反応点同士を接近しやすくすることで分子内酸化的カップリングを効率よく進行させる方法を見出した。この方法により従来必要であった反応補助基の導入を行う必要がなくなった。本研究を通して、singaporentinidineの全合成、植物ホルモン様天然物coronatineの全16立体異性体ライブラリーの構築を達成した。また、剛直な分子構造の新たな構築法としてジエンとジメトキシカルベンとの[4+1]環化付加反応によるビシクロ[3.2.1]オクテン骨格形成法を開発した。
有機合成化学
本研究では、アクアンミリンアルカロイドの構造的特徴を生かして配座を固定して反応点を接近しやすくすることで従来法ではできなかった反応補助基を必要としない分子内酸化的カップリングを実現した点で独創的である。本研究の研究成果は、分子内酸化的カップリングの適用範囲を拡大させ、様々な生理活性インドールアルカロイド合成への適用・効率化が見込まれる。これにより、医薬品の生産コスト削減、医療費の低減など高い波及効果が期待でき非常に意義深い。