抑肝散には神経栄養因子様作用があり、神経保護や神経突起(軸索)伸展・神経新生作用を持つ可能性が示唆されていたが、変性神経に対する保護・機能改善効果の詳細は未だ不明であった。そこで当研究では、ニューロン・アストロサイト共培養系オータプス培養標本を用いてAβ処置による神経変性モデル、Sema3A処置による軸索特異的変性モデルなどの新規神経変性モデルを構築した。次にこの神経変性モデルを用いて神経変性や軸索伸展に対する抑肝散の効果を確認した。抑肝散には軸索変性に対して改善作用があることが示唆された。さらにこの効果には神経栄養因子BDNF, NGFのほか軸索伸張阻害因子Sema3Aの関与も示唆された。
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