多発性硬化症の治療薬であるフィンゴリモド(FTY720)の臨床適応拡大を目的に、oxazolone誘発接触性皮膚炎の動物モデルで検討したところ、FTY720の経口投与で治療効果を認めた。この効果はエフェクターT細胞や真皮樹状細胞を感作付近のリンパ節にとどめ、炎症局所への移動を抑制することによると示唆された。 FTY720の標的分子と考えられるスフィンゴシン 1-リン酸(S1P)受容体(S1PR)のうち、我々が未作製であったマウスS1P4に対する抗体作製は、成功までには至らなかった。しかし、GFP融合S1P4安定発現株の樹立に成功し、ラットへの免疫を行い、高力価の抗血清は得ることができた。
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