現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
透析患者のPBMCを対象として、VK1とVK2の作用を、免疫抑制薬の感受性試験、サイトカイン定量試験、および制御性T細胞(Treg)率測定試験により検討し、健常者PBMCを用いた結果と比較検討した。 透析患者PBMCのVK1とVK2に対する感受性試験の結果、健常者PBMCと同様、VK1が増殖抑制作用を持たず、一方VK2は抑制作用を持つことを明らかにした。さらにVK2が、健常者と透析患者のPBMCに対して共に殆ど同等の抑制作用を示し、臨床上有効な薬物となる可能性が示唆された。 透析患者または健常者のPBMCからのサイトカイン産生に対するVK1とVK2の作用については、PBMC培養上清中の各種サイトカインをCytokine Beads Array Kitで測定することにより比較検討した。健常PBMCからのIL-2, IL-4, IL-6, IL-10, TNF-α, IFN-γおよびIL-17産生に対し、VK1は何ら影響を与えなかったが、VK2はIL-4産生のみを有意かつ濃度依存的に上昇させた。一方、VK1、VK2共に、透析患者PBMC からのサイトカイン産生には、何ら影響を与えなかった。VK1は、健常者および透析患者PBMC中のTreg率に対して、いずれも影響を与えなかった。一方VK2は、健常者および透析患者PBMC中のTreg率を、いずれも濃度依存的かつ有意に抑制した(p<0.05)。
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