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2018 年度 研究成果報告書

胎生期の幹細胞ストレスによる生後の脳内リン脂質構成異常と発達障害発症機構の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 16K08441
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 解剖学一般(含組織学・発生学)
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

宇田川 潤  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10284027)

研究分担者 木村 智子  滋賀医科大学, 医学部, 客員講師 (00449852)
武井 史郎  浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (60398576)
山崎 文義  浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (80725755)
内村 康寛  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90803990)
研究協力者 日野 広大  
金子 隼也  
河野 匡暁  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードストレス / 胎生期 / 脳 / リン脂質 / 行動異常
研究成果の概要

妊娠5.5日から10.5日まで対照群の40%に食餌を減らした母獣から生まれた仔ラット雄では、生後に多動、および脳内のリン脂質生合成酵素の発現上昇とリン脂質構成異常が認められた。また、変化したリン脂質の一つのPE(18:0p-22:6)の投与により、胎生期低栄養ラットの多動の一部を再現することができた。一方、リン脂質シグナリングに関連するプロテインキナーゼC経路を抑制しても行動に変化が生じなかった。これらの結果により、胎生期低栄養は仔の神経胚などの幹細胞の性質を変化させ、生後にニューロンあるいはグリア細胞のリン脂質の構成異常を引き起こすことによって、行動異常を生じることが示唆された。

自由記述の分野

DOHaD

研究成果の学術的意義や社会的意義

我が国では1990年代後半から低出生体重児が増え続け、現在では約1割となっている。低栄養をはじめ胎生期のストレスは生後の統合失調症、発達障害の発症リスクを増加させることが疫学的にも示されており、本邦では今後これらの疾患の罹患率増加が危惧されている。本研究では幹細胞ストレスによる生後の行動異常の原因として、特定のリン脂質が関与していることを動物実験により示した。また、これらの行動異常は生後の環境により改善できる可能性を提示した。本研究は、現在増えつつある発達障害の予防のみならず、リン脂質投与や環境改善など発達障害の治療に対する知見を提供した。

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公開日: 2020-03-30  

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