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2017 年度 実施状況報告書

三次元ヒト生体組織による階層性リンパ管網の形成ダイナミズムと分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K08459
研究機関弘前大学

研究代表者

下田 浩  弘前大学, 医学研究科, 教授 (20274748)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリンパ管網形成 / 三次元生体組織 / ライブイメージング / 脈管新生分子
研究実績の概要

三次元ヒト生体組織における血管・リンパ管網形成のライブイメージング解析により、血管内皮細胞が平面的な広がりをもつ脈管網を形成するのに対し、リンパ管は2次元的なメッシュワークを形成した後、これよりさらに組織の深部に向かって内皮細胞突起と管腔の伸長と退縮を繰り返し、数日後には3次元的な深さをもつ広範囲のネットワークを構築することが明らかになった。そのプロセスにおいてリンパ管内皮細胞はオートファジー機構を作用させることで自らの形態のリモデリングを行い、管腔形成を行っていた。
また、リンパ管網形成を行う三次元ヒト生体組織において脈管新生因子アレイによる機能分子発現の網羅的解析を行い、複数種の脈管成長因子群(PIGF, Angiopoietin-2, VEGF, endostatin, VEGF-Cなど)と組織形成関連因子群(MMP, TIMPなど)、ならびに免疫細胞誘導因子(MCP-1, DPPなど)が抽出された。これらの機能分子群で特に高い発現を認めたAngiopoietin-2、ならびにリンパ管形成において重要視されるProx1, VEGF-R3, podoplanin, LYVE-1, VE-cadherinなどの時空間的発現を分子形態学的に解析し、脈管形成、内皮細胞チップの形成・伸長、移動、吻合などのネットワーク形成イベントに対する各分子の特異的な発現を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

リンパ管壁細胞の成熟化のための条件設定と評価、ならびに機能解析に必要なiRNAの条件設定にやや時間を要しており、当初の予定より少し遅れているため。

今後の研究の推進方策

リンパ管網形成における時空間的分子発現成績を基盤に、重要関連因子においてRNAiによる特異的分子機能発現抑制を行い、ネットワーク形成ダイナミズムを解析することにより、機能的側面からも三次元ヒト生体組織におけるリンパ管網形成の分子機構の解明を行う計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 三次元血管・リンパ管網の生体移植におけるネットワーク形成ダイナミズム2018

    • 著者名/発表者名
      下田 浩、渡邉誠二、成田大一、岡野大輔、浅野義哉、松崎典弥、明石満
    • 学会等名
      第123回日本解剖学会総会・学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] リンパ管ネットワーク構築におけるCD73の役割2018

    • 著者名/発表者名
      岡野大輔、浅野義哉、松崎典弥、明石満、下田 浩
    • 学会等名
      第123回日本解剖学会総会・学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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