今回のメダカhir変異体を用いたRNA-seq解析により、YAPの下流標的遺伝子群を網羅的に明らかにすることができた。特にhir変異体において顕著な発現変動を示す上位50遺伝子の中には、インテグリンシグナルやアクチンの重合・脱重合に関与する遺伝子群が含まれており、YAPメカノホメオスターシスを支える重要因子の可能性がある。今後、これまでに作出に成功したノックアウト変異体の詳細な表現型解析をさらに進めることにより、YAPメカノホメオスターシスの分子基盤の一層の理解につながるとともに、YAPメカノ分子ネットワークの破綻がどのように疾患の発症・増悪へ関与するのかを明らかにできると考えている。
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