研究実績の概要 |
肺癌におけるHippo pathwayの解析の中で、小細胞がんにおいてYAP1のLossが、特徴的にみられ、かつ、化学療法の感受性に関与することを見出し、報告した(Ito, Matusbara (corresponding author), 2016, Cancer Science)。 肺腺癌において、接着分子であるCADM1がHippo pathwayのCore-kinaseである、LATS1/2, MST1/2を細胞膜に誘導し、これらをリン酸化し、活性化させることで、YAP1をリン酸化し、癌細胞の増殖を抑え、さらに、免疫組織化学的に、CADM1, LATS2の細胞膜における共局在が、予後良好に関与することを報告した(Ito, Matusbara (corresponding author), 2019, Cancer Science)。この論文は、Cancer sciecne誌の2019年7月号の注目論文として、表紙にハイライトされた。 Non-TRU typeの形態を示す肺腺癌に着目し、次世代シーケンサーによる解析を行ったところ、Non-TRU typeにおいて、特徴的にTTF-1の不活性型変異、および、メチル化が高頻度にみられることを報告した(Matsubara et al 2017, Cancer Science)。 Non-TRU typeの治療ターゲットを探す中で、TFF-1という分子を見出し、TFF-1は異常な胃腸上皮分化に関与するだけでなく、STASに関与する、予後不良因子であり、癌細胞株の検討では、TFF-1がApoptosis抑制に関わることを報告した(Matsubara et al, 2020, Cancer Science)。
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