研究課題/領域番号 |
16K08677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
清水 重喜 近畿大学, 医学部, 准教授 (30336672)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 胸膜アデノマトイド腫瘍 / 胸腺腫 / 腸型肺腺癌 / 胎児型肺腺癌 |
研究成果の概要 |
石灰化線維性腫瘍の50%の症例で、中皮マーカーが陽性となるため、中皮腫との鑑別が問題となる。石灰化線維性腫瘍ではケラチン染色の陽性率が低く、鑑別点となる。 稀な胸膜腫瘍(石灰化線維性腫瘍、孤在性線維性腫瘍、アデノマトイド腫瘍)、肺腫瘍(胎児型腺癌、腸型腺癌)および縦隔腫瘍(anaplasiaを伴う胸腺腫)にて、遺伝子検索を行った。 胸膜アデノマトイド腫瘍ではTAF1の遺伝子異常を認めた。anaplasiaを伴う胸腺腫では、p53の遺伝子異常を認めた。腸型肺腺癌では、通常型肺腺癌と同様の遺伝子異常を伴っていた。胎児型肺腺癌の1例では、BRAFの 遺伝子異常を認め、多数の遺伝子異常が蓄積されていた。
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自由記述の分野 |
呼吸器病理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
石灰化線維性腫瘍の50%の症例で、中皮マーカーが陽性となるため、線維形成型中皮腫との鑑別が問題となる。石灰化線維性腫瘍ではケラチン染色の陽性率が低いことが鑑別点となる。 胸膜アデノマトイド腫瘍ではTAF1の遺伝子異常を認めた。腹腔のアデノマトイド腫瘍では、TRAF7遺伝子異常の報告があり、胸腔と腹腔のアデノマトイド腫瘍は病因が異なる可能性が示唆される。anaplasiaを伴う胸腺腫は、p53 遺伝子異常が加わっており、胸腺癌に準じた対処方法が必要であることが推測される。肺腸型腺癌の免疫染色では、HER2 の発現があり、肺腸型腺癌と大腸癌の肺転移の鑑別に役立つ可能性が示唆される。
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