研究課題/領域番号 |
16K08678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
鍋島 一樹 福岡大学, 医学部, 教授 (40189189)
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研究分担者 |
濱崎 慎 福岡大学, 医学部, 准教授 (90412600)
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研究協力者 |
松本 慎二 , 細胞検査士
矢野 杏子 , 技官
樋田 知之 , 大学院生
亀井 敏昭 PCL福岡病理・細胞診センター, 所長
小田 義直 九州大学, 教授
丸山 理留敬 島根大, 教授
佐藤 勇一郎 宮崎大, 准教授
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 中皮腫 / 細胞診 / FISH / 免疫組織化学 / 免疫細胞化学 / p16 / BAP1 / MTAP |
研究成果の概要 |
今回の研究によって、9p21領域遺伝子産物(p14, p15, p16, MTAP)の中で、FISHによるp16遺伝子のホモ欠失と最もよく相関するのはMTAP (methylthioadenosine phosphorylase)蛋白の発現消失で、それは免疫組織化学(免染)にて検出可能であることを明かにした。さらにこのMTAP免染は、(1)組織検体における上皮型中皮腫vs反応性中皮過形成の鑑別および肉腫型中皮腫vs線維性胸膜炎の鑑別、(3)細胞診検体(セルブロック)における上皮型中皮腫vs反応性中皮細胞の鑑別において、特異度100%で、有用であることを示した。
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自由記述の分野 |
人体病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胸膜中皮腫は高悪性度腫瘍で、その発生は2035年頃まで増加すると予想されており、早期診断法の開発は喫緊の課題である。その腫瘍性はp16遺伝子のホモ欠失やBAP1遺伝子産物の消失によって確認できるが、前者はFISHによってのみ可能であった。しかし、今回の研究にて、MTAP遺伝子産物の免疫組織化学にて、p16遺伝子のホモ欠失を高率に予見できることが明らかとなったので、多くの医療機関にて、BAP1とMTAPの免染の組み合わせにて、中皮腫の診断が可能になった。FISHの代用としての免染手法の追求という学術的意義に加えて、日常診療への応用という社会的貢献は大きいと考えられる。
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