研究課題
I.Opn阻害蛋白アナログの機能エピトープ検索と蛋白の作成:これまでにOpn阻害効果があると目される蛋白3種類を合成し、機能エピトープのスクリーニングを行い、機能阻害に関与すると目されるドメインを見いだした。これらの蛋白ドメインのみを合成するためのテンプレートを作成予定である。Ⅱ. RRP8およびTNP1のタンパクを作製し、スクリーニングに用いるための予備実験を行った。Ⅲ.Opn阻害蛋白アナログおよび免疫抑制剤による糸球体腎炎およびその他臓器病変の治療効果解析:昨年度スクリーニングされた蛋白アナログをコムギ胚芽無細胞系で合成し、MXH系の中で各臓器病変が分離している系および親系統MRL/lprに投与し、糸球体腎炎、関節炎、全身性血管炎、唾液腺炎の抑制効果を解析進行中である。H29年度には4系統の組換え近交系に投与した。また、昨年度の予備実験において、リンパ系への薬物投与があらたなDDSとして有効なことが確認されたため、この投与経路をもちいて免疫抑制剤を投与して、治療効果が得られるかいなか、有害事象が起こらないかについて明らかにすべく投与実験を行った。少なくとも糸球体腎炎に関しては、免疫抑制剤のリンパ系投与による治療効果が明らかになった。IV.Span80ナノベシクルを用いた蛋白アナログdrug delivery systemの開発:界面活性剤Span80を用いた脂質二重膜ベシクルによるDDSを用いて投与するプレリミナリーな実験を行った。リンパ系への投与を考慮すると、脂質二重膜ベシクルの使用メリットが限られることも明らかになり、脂質二重膜ベシクルの使用は今回の系では今後行わないことを判断した。。
3: やや遅れている
当初、薬剤投与を静脈内投与で行うことを目して研究を開始したが、リンパ系への薬剤投与が、より少ない有害事象で有効に行える可能性が予備実験で示唆されたため、投与系の変更に伴う予備実験および投与方法の検証に時間を割いた。そのため、自己抗原にアフィニティーをもつ蛋白の解析については予定よりもやや遅れている。研究全体としては、やや遅れているものの着実に投与実験が進行している。
1.膠原病モデルマウスへの蛋白アナログおよび免疫抑制剤の投与実験: これまでの研究でスクリーニングした蛋白アナログ、および免疫抑制剤としてシクロフォスファミドを投与薬剤として使用して、膠原病モデルマウスに投与し、糸球体腎炎をはじめとする自己免疫疾患抑制効果を網羅的に解析する。同時に、有害事象による病理学的変化がないかについて全臓器を詳細に解析する。2.TNP1, RRP8に対するアフィニティー蛋白の解析。TNP1, RRP8をコムギ胚芽を用いた無細胞蛋白合成系で作製し、阻害剤としてのアフィニティーをもつ蛋白を網羅的にスクリーニングする。3.研究とりまとめと成果発表: これまでの研究成果を取りまとめ、国際学会・国内学会で発表すると共に結果を英文誌に投稿する。
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