研究課題/領域番号 |
16K08872
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
大塚 智子 高知大学, 教育研究部医療学系医学教育部門, 准教授 (70335933)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 入学者選抜 / 追跡調査 / 医学教育 / 評価指標 / 主体性・多様性・協働性 |
研究実績の概要 |
平成32年度の入試改革以降,大学入試においては,文部科学省が掲げる「学力の三要素」をもれなく評価する「多面的・総合的評価」が求められる。多面的・総合的評価への移行で課題となるのは,「学力の三要素」の1つである「主体性・多様性・協働性」の評価であり,各大学における入学者選抜への導入と評価方法の確立が喫緊の課題となっている。 高知大学医学部医学科AO入試は,第1次選抜で学力評価,第2次選抜で主体性や協働性など情意領域に関する能力を評価指標とする多面的・総合的評価を行っている。第2次選抜で評価指標となる主体性や協働性などの能力は「主体性・多様性・協働性」に位置付けられ,こうした能力に関する評価指標と尺度の開発は,医学科だけでなく他の多くの選抜においても有意義な知見を提供できると期待される。 本研究の目的は,AO入試のデータをもとに入学前,入学後,卒業後にわたり情意領域に関する長期追跡調査を行い,多面的・総合的評価に基づくAO入試の妥当性と信頼性を検証し,情意領域に関する評価指標・尺度を確立するものである。 平成28年度は,入試選抜時評価項目の再検討とデータ収集を行った。AO入試(情意領域評価)の評価項目を再度見直し,新たな評価基準・項目により選抜を実施した。すでに入学している学生の入学後のデータについては,同学年の学生間の相互評価(学生間ピア・レビュー)を,2年次生,6年次生で実施し,情意領域に関する評価データを得た。卒業後のデータについては,初期臨床研修病院の指導医へのアンケート調査を実施し,卒業生に対する評価データを得た。その他OSCE(医療面接)のデータ等も合わせ,選抜時データとの関係について解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
入学後,卒業後ともにデータ収集を問題なく完了した。卒業者のデータ収集については,本学倫理委員会の承認を受けており,卒業者本人の同意も得ている。更に本研究に関して参考となる他の卒業後データの解析も行った。解析結果は5月に学会で発表する予定である。AO入試において先進的な実績がある北海道科学大学へ視察を行い,選抜や評価方法に関する情報を得た。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降も継続してデータ収集を行う。選抜時データと入学後,卒業後データの関係を解析し,AO入試における情意領域評価の妥当性・信頼性を検証する。解析結果は,随時,学会や論文等で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であったコンピューターがメーカーの在庫不足により購入できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
コンピューターは次年度購入予定である。
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