毛髪および爪を溶解した試料中には夾雑成分が大量に存在しているため、前処理として行う液液抽出では夾雑成分の混入が問題となった。そこで、液相の比重を調節して常に上層からピペットで吸引する方法を開発し、操作手順による混入を防止することに成功した。 また、HPLC条件のpHではニコチンは一価または二価の陽イオン、コチニンは一価の陽イオンまたは分子形であり、pHが光誘導体化反応の効率にも大きく影響していることが明らかとなった。光誘導体化反応については未解明の部分も多く、高感度検出のための条件検討において重要な知見が得られたものと考える。
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