研究課題/領域番号 |
16K09171
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 理宏 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (70506493)
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研究分担者 |
三原 直樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 部長 (20379192)
松村 泰志 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90252642)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 薬剤性有害事象 / 間質性肺炎 / 電子カルテ / 網羅的検出 |
研究実績の概要 |
薬剤性間質性肺炎の網羅的検出を行うため、以下の手法を考えた。胸部CT、Xp所見から既報の 方法で間質性肺炎を検出し、血液検査のKL-6、SP-Dは正常上限値を超える場合を陽性と捉えた。間質性肺炎が最後に陰性が確認された日付(Pre Date)と、初めて陽性が確認された日付(Start Date)と胸部CTで間質性肺炎が確定診断された日付(Post Date)と薬剤投与日の関係から薬剤性間質性肺炎の検出を行うこととした。 CT陽性患者100人抽出したところ、Pre Dateは42名で検出され、その内訳はCTが36人、Xpが3人、KL-6が2人、SP-Dが3人であった。 Pre DateとStart Dateの間に薬剤投与開始日がある薬剤を間質性肺炎の起因となった薬剤の可能性を考え、薬剤性間質性肺炎の検出を行った。これは既報の血液検査でとらえられる有害事象(肝機能障害など)と同様の手法であったが、血液検査に比較して検査頻度が少なく、Pre DateとStart Dateの期間が開くことが多く、多くの薬剤が候補として捉えられた。そこで、起因となる薬剤の絞り込みが必要となった。 薬剤性間質性肺炎の原因薬候補リストはPMDAの添付文書データを用いることとた。PMDAのWebページから添付文書情報を副作用「間質性肺炎」、対象を警告とし薬剤の抽出を行い、抽出された527薬剤をダンロードし、当院の薬剤情報と紐づけを行った。2014年以降初めてCT陽性になる患者467人を抽出し、Predateからstartdateに投与されている薬剤を抽出したところ、287人が薬剤を抽出されており、現在、上記の薬剤リストで絞り込みを行い、その検出精度の検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
間質性肺炎の網羅的検出手法を検討してきたが、血液検査で検出される有害事象に比し、検査回数の少なさから有害事象の候補薬の絞り込みに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は平成29年度に作成した薬剤性間質性肺炎の網羅的検出プログラムの精度向上を進める。現在、PMDAの添付文書で間質性肺炎が記載される薬剤で薬剤の絞り込みを行っているが、1患者に対し複数の薬剤が候補薬として挙がっている(ゲフィチニブとチクロピジンなど)。どちらの薬剤による有害事象かについては、血液検査で検出される薬剤性有害事象の網羅的解析で用いた寄与度プログラム(既報)を用いることで、絞り込みを行うことができると考えている。 本プログラムを適応した後、検出された薬剤に対し、カルテレビューを行い、その精度を検証することを本年度の目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 有害事象 出プログラムの作成する予定であったが、検出ロジックの見直しが必要となったため、昨年度の開発は見送った。 (使用計画) 今年度、見直した有害事象検出ロジックをもとに、プログラム開発を行う予定である。
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