研究課題
基盤研究(C)
間葉系幹細胞は再生医療材料として注目されており、出産時に通常廃棄される羊膜にも間葉系幹細胞が豊富に存在する。我々は、羊膜間葉系幹細胞のパラクライン効果による抗炎症・高線維化効果に着目して、羊膜間葉系幹細胞の培養上清ゲルを作成し、大腸内視鏡的粘膜下層剥離術後の狭窄予防効果をブタを用いて検討した。その結果、培養上清の注腸投与が大腸内視鏡的粘膜下層剥離術後の炎症反応を抑制し、線維化も抑制することで狭窄を予防できることが明らかとなった。
再生医療
近年の内視鏡技術の発達により、大腸がんを内視鏡で広範囲に切除する方法(ESD)が普及しつつある。しかしながら、広範囲に切除すると大腸が狭窄して腸閉塞になるリスクがある。我々は、羊膜間葉系幹細胞から分泌される因子に着目し、この細胞の培養上清をESD後の部分に塗りつけることで狭窄を予防できることを動物実験で明らかにした。この方法が確立すれば、内視鏡医が術後の狭窄を危惧せずに広範囲に切除できる可能性がある。