研究課題/領域番号 |
16K09379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 綱正 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20338528)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | B型肝炎ウイルス / ウイルス遺伝子変異 / 急性肝炎 / 肝細胞癌 |
研究成果の概要 |
内因性自然免疫が関与する抗B型肝炎ウイルス(HBV)作用を検討し、HBV関連肝細胞癌(HCC)のサロゲートマーカー探索を検討した。 急性肝炎(20例)を短いintervalで採血し、次世代シークエンサーによる経時的なHBV DNA多様性の検討を進めたが、Genotype特異的なPrimer設計に難渋した。そこで、HBVゲノム変異によるHCCへの関与(HCC有;89例、HCC無;356例)を検討した。HBs抗原低値かつHBコア関連抗原高値がHCC高リスク群であることを見出した。HBs抗原をコードするpreS/S領域の変異によるがん形成の可能性や、宿主ゲノムへの組み込みの可能性などが示唆された。
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自由記述の分野 |
肝臓病
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の治療戦略では、B型肝炎ウイルス(HBV)根絶に不可欠なcccDNAを制御することはできず、HBV関連肝細胞癌(HCC)発症も制御できず、HCC早期発見の手段も限定的である。本研究は、細胞内におけるHBVゲノム変異ないし組み換えに着目した治療戦略の可能性を模索し、その結果としてHBs抗原タンパクの変異がHCC発症と関連する可能性を見出した。従来から提唱されていたHCCリスク集団とは異なり、新たなHCCリスクのサロゲートマーカーに繋がる可能性があり、社会的意義は大きく、さらに宿主ゲノムへのHBVインテグレーション解析の重要性が再認識されたことから、学術的意義も高いと考える。
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