研究課題/領域番号 |
16K09394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福田 晃久 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70644897)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 膵がん / IPMN / エピゲネティクス / クロマチンリモデリング / マウスモデル |
研究成果の概要 |
ヒト膵癌においてはSWI/SNF複合体の中でARID1Aに最も高頻度に不活化変異(約7%)がみとめられることから、Arid1aが癌抑制的に働く可能性が示唆されるが、膵発癌におけるArid1aの詳細な機能的役割はこれまで不明であった。本研究では、Arid1aがマウス膵において膵管細胞の分化を維持し、IPMNならびに IPMN由来膵癌の発生を抑制していることが明らかになり、膵管細胞の脱分化にはSox9の発現低下が、IPMNからの膵発癌にはmTOR pathwayが、それぞれ寄与していることが明らかになった。Gastroenterology 2018:155:194-209.
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自由記述の分野 |
膵がん
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エピジェネティックな遺伝子発現制御に重要な働きをするSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体のサブユニットArid1aの欠失によって、膵管細胞が脱分化して可塑性を獲得し、IPMNおよびIPMN由来膵癌が生じることをマウスの個体レベルで初めて明らかにした。これは近年ヒトIPMNで報告されたGNASやRNF43の遺伝子異常とは異なるIPMN経由の膵発癌ルートであり、これらのIPMNおよびIPMN由来膵癌の新規遺伝子改変マウスモデルは、今後のIPMNおよびIPMN由来膵癌の研究における有力なツールになり得ると考えられる。
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