現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度の当初の目的として、血管内皮機能の採血項目、血圧および生活習慣との横断的検討:採血項目として腎機能、尿酸、糖代謝(HbA1c, 空腹時血糖, 空腹時インスリン)、脂質(中性脂肪, TC, HDL, LDL)、血清電解質(Na, K, Cl, Ca, Mg)、総蛋白, アルブミン、血漿レニン活性, 血漿アルドステロン、BNP, 高感度CRP、尿検査項目として尿中電解質(尿Na、尿K、尿CI)および尿中アルブミン等の項目および、家庭血圧測定、調査票による生活習慣との関連についても横断的に血管内皮機能との関連を検討する予定であった。しかし、エンドパッドおよびユネクスFMDの同時測定のプロトコルの確認、協力病院内での検査体制の確立などに時間を要し、年度内に目標測定人数には到達できなかった。しかし、現時点では、それらの障害は解決しており、今後の進行に支障はきたさない。引き続き継続して対象者を積み上げ、十分なNで本分析を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
前述のようにBOSHIコホートにおいて、エンドパッドによる指先の血管内皮機能、およびユネクスFMDによる橈骨動脈での血管内皮機能の同時測定の症例を積み重ね、十分なNで、平成28年度の積み残しである1)血管内皮機能の採血項目(腎機能、尿酸、糖代謝、脂質、電解質、血漿レニン活性, 血漿アルドステロン、BNP,高感度CRPおよび尿中アルブミン等)、血圧および生活習慣との横断的検討を行う。 更に、2)血管内皮機能と動脈硬化指標との関連を横断的に確認として、血管内皮機能と、Pulse wave velocity(PWV)、Augmentation Indexとの関連を横断的に検証する。その際、上記1.の分析で認められた関連する因子を交絡因子として補正し、血管内皮機能と動脈硬化指標との独立した関連を検討する。さらに、年齢、性別、あるいは危険因子の重積の有無でサブグループ分析を行い、血管の障害の各段階での血管内皮機能と他の動脈硬化指標との関連を検討する。 また、3)血管内皮機能と心血管アウトカムとの縦断的検討として、慢性腎臓病発症をアウトカムとして、血管内皮機能と既存の動脈硬化指標の予後予測能を比較する。各種交絡因子を補正したCox比例ハザードモデルで予後分析を行い、モデルに既存の動脈硬化指標(PWV、Augmentation Index)を適宜投入することで、血管内皮機能がそれらの指標を上回る予測能を追加できるのかを明らかにする。
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