異常タウ蛋白が脳に与える障害の有無を検討するため,ポジトロン断層撮像法(PET)と磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)を用いた評価を行った.PETはタウ蛋白を検出するための薬剤を用いて行い,MRSは高感度の撮像法を用いた.タウPETはタウオパチー患者における信号集積の上昇を同定することができた.MRSはタウオパチー患者において,脳内代謝物が病状を反映するマーカーとして使用できる可能性が示された.PETとMRSを併用することで,タウ蛋白が脳にダメージを与えうることが示唆され,タウ病態の理解をすすめることができた.今回得られた知見は,タウ蛋白をターゲットとした治療法開発に役立つものと考える.
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