研究課題
基盤研究(C)
肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病発症の対策と治療法に貢献する為に、本研究は摂食後に脳で産生されるホルモンであるnesfatin-1が脂肪組織交感神経を興奮させて代謝亢進に寄与する脳内機構の解析を行った。その結果、nesfatin-1が視床下部弓状核ERKシグナルと延髄のカテコラミン神経系を介して脂肪組織交感神経を活性化させる新たな仕組みを本研究で見出した。本研究で新たに得られた研究成果は、過食とエネルギー代謝低下による肥満発症の新たな予防・治療戦略に応用できる可能性を含んでいる。
生理学
本研究で新たに得られた成果は、自律神経を介する摂食とエネルギー代謝に関する脳内調節機構を新たに見出していることである。このことから、本研究の成果は、自律神経系調節に関する基礎医学系分野への貢献のみならず、生活習慣病の新規創薬開発や抗肥満戦略におけるnesfatin-1作用の有効性を追求する研究分野にも大きな影響をもたらし、健康寿命の遅延を招く生活習慣病予防・治療に貢献するものである。