研究課題
Prelpは、378アミノ酸でコードされる膜蛋白であり、結合組織や軟骨に発現し、ヒトの早老症の発症に関連している可能性が示唆されている。肥満モデルであるob/obマウスや高脂肪食負荷マウスの脂肪組織の成熟脂肪細胞では、肥満の形成に伴いPrelpの発現が著しく亢進していた。培養脂肪細胞の検討において、Prelpの発現はデキサメゾンで誘導され、ピオグリタゾンにより抑制された。Prelpを過剰発現させた脂肪細胞では、インスリン応答性の糖取り込みが抑制され、Prelpの発現を抑制した脂肪細胞では、インスリン応答性の糖取り込みが亢進していた。さらに、Ap2プロモーターを用いた脂肪細胞特異的Prelpトランスジェニックマウスと全身性Prelpノックアウトマウスに高脂肪食負荷を行い、Prelpのメタボリック症候群における役割を検討した。高脂肪食負荷後、脂肪細胞特異的Prelpトランスジェニックマウスでは、野生型マウスと比較し、より強い脂肪組織の繊維化を発症し、全身のインスリン抵抗性が強く誘導されていた。一方、全身性Prelpノックアウトマウスでは、高脂肪食負荷による脂肪組織の繊維化が抑制され、全身のインスリン抵抗性の改善を認めた。ob/obマウスへprelpノックアウトマウスを交配することにより、ob/obマウスの体重増加とインスリン抵抗性の改善を認めた。以上の培養細胞とマウスモデルでの検討により、Prelpは肥満症における脂肪組織の繊維化形成に関与し、全身のインスリン抵抗性を惹起している可能性が示唆された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件)
J Clin Lipidol.
巻: 13 ページ: 62-69
10.1016/j.jacl.2018.10.004.
Clin Nutr.
巻: 38 ページ: 174-181
10.1016/j.clnu.2018.01.002.
J Med Case Rep.
巻: 12 ページ: 368
10.1186/s13256-018-1901-y.
Nephrology (Carlton).
巻: 23 ページ: 855-862
10.1111/nep.13444.
Diabetes Care.
巻: 41 ページ: 1765-1775
10.2337/dc18-0030.