研究課題
SLE患者Th1細胞における免疫細胞代謝の役割を検討した。SLE患者Th1細胞分化をFACSで解析、その代謝機構を健常人末梢血CD4+T細胞を用いin vitroで検討した。SLE患者末梢血では、IFN-γ産生能を有するCD4+T-bethi細胞が増加。同細胞で免疫細胞代謝亢進に重要なmTORC1が活性化し、治療抵抗性に関与した。一方、T-bet+IFN-γ+FoxP3int (non-Treg)細胞が増加、T-bet+IFN-γ+FoxP3hi (Th1-Treg)細胞が低下、Th1細胞分化異常を認めた。次にTh1細胞分化における免疫細胞代謝をin vitroで検討。健常人末梢血CD4+CD45RA-細胞を採取。TCR刺激3日後、T-bet発現、IFN-γ産生亢進、mTORC1活性化、解糖系亢進が誘導された。同細胞にmTORC1阻害剤Rapamycin (Rapa)、解糖系阻害剤2DGを加えたところ、2DGのみIFN-γ産生を抑制、IL-2産生を誘導。両者ともTregを誘導したが、RapaではT-bet+IFN-γ+FoxP3int (nonTreg)細胞を誘導、一方2DGはT-bet+IFN-γ-FoxP3hi (Th1-Treg)細胞を誘導、2DGでのみFoxP3-T-bet+IFN-γ+ (effector Th1)細胞を抑制した。以上からSLEではTh1細胞分化異常が治療抵抗性に深く関与し、免疫細胞代謝バランスが深く関与した。免疫細胞代謝は新たなSLEの病態解明に有用であると考えられた。
すべて 2018
すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)